米最高裁、トランスジェンダー受刑者の医療を当面維持
2026年10月21日、ワシントンの米連邦最高裁は、連邦刑務所に収容されているトランスジェンダーの人々の治療をめぐる訴訟で、ドナルド・トランプ大統領の政権による緊急申し立てを退けた。Trump v. Kingdom事件の命令は、ホルモン療法や性別違和に対するその他のケアを患者から取り上げる新規則について、暫定差し止めを維持するものだ。
クラレンス・トーマス判事とサミュエル・アリート判事は、政権の申し立てを認める立場だった。
争点は、トランプ氏の2025年1月の大統領令を受け、連邦刑務所局(BOP)が2026年2月に採用した規則だ。性別違和に対する心理療法や精神科医療は残す一方、ホルモン療法、手術、性自認に合う衣服などの社会的配慮は除外していた。すでにホルモンを使用している人の治療は、段階的に終了する予定だった。
ワシントンの連邦地裁のロイス・ランバース(Royce Lamberth)判事は2026年6月17日に規則の実施を差し止め、8月26日に暫定命令を更新した。下級審の資料によると、裁判所は、BOPが長年にわたるケア提供の自らの経験を考慮せず、恣意的に判断した可能性があると暫定的に認定した。差し止めにより、訴訟が続く間、性別違和と診断された受刑者への従来の治療体制が維持される。
政権の弁護士は10月9日に最高裁に提出した反論書で、ホルモン療法、手術、社会的配慮の廃止は、医学的証拠の不十分さ、施設の安全、刑務所運営上の必要性から正当化されると主張した。また、裁判所が担当機関の評価を自らの判断で置き換え、許される介入の範囲を超えたとも述べた。
訴訟は収容中の3人が2025年3月に起こした。代理人は米自由人権協会(ACLU)とそのコロンビア特別区支部、人権団体Transgender Law Centerだ。原告側の弁護士はACLUの声明で、申し立ての却下は医師が処方したケアの継続に重要だとし、必要な治療を拒むことは受刑者の憲法上の権利を侵害すると述べた。
ウラニアは以前、トランプ政権が9月28日に最高裁へこの申し立てを行った経緯を報じた。


