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米カンザス州でトランスジェンダー住民が身分証明書無効化を受け相互支援組織を結成

トピカのカンザス州会議事堂。写真:Elli / Wikimedia Commons (CC0 1.0)
トピカのカンザス州会議事堂。写真:Elli / Wikimedia Commons (CC0 1.0)

修正された性別表記を含む身分証明書の無効化を州機関に義務付けた上院法案244号(SB 244)の施行から半年が経過した米カンザス州で、トランスジェンダー当事者らが相互扶助や権利擁護のためのネットワークを組織している。この法改正は数千人の住民に影響を及ぼしており、一部の人々が他州への移住を選択する一方、州内に留まる人々は法的・日常的な障壁に対処するため草の根の支援組織を立ち上げている。

カナダのメディアXtra Magazineの報道によると、SB 244は法解釈上の「性別」の定義を出生時の生物学的性別に限定した。これに基づき、カンザス州歳入省(KDOR)はトランスジェンダーの運転手に対し、猶予期間を設けることなく、出生証明書に基づく表記に再交付するため運転免許証を直ちに返納するよう指示した。また、同法は政府機関や公立学校の施設において自認する性別の公衆トイレを使用することを禁じ、違反に対して民事訴訟や行政処分の対象とすることを定めている。

法的リスクや警察による取り締まりの懸念が高まる中、人権団体「Trans Liberty」は人道支援イニシアチブ「Operation Lifeboat(救命ボート作戦)」を開始した。退役軍人や災害対応の専門家らが参加し、これまでにカンザス州内の59家族および個人に対し、権利が保護されている他州への転居支援や、現地に留まる人々への安全な雇用、法律相談、医療支援の提供を行ってきた。

相互支援の動きは教育現場でも広がっている。ローレンスにあるカンザス大学では、トイレ利用を巡る人事部門からの通告や、無効化された免許証による交通取り締まりに直面した教職員や学生が有志グループ「Trans Solidarity KU」を結成した。大学の公式ポータルから法的な性別変更手続きに関する案内が削除されたことを受け、独自の情報提供とサポートを担っている。

この法律を巡っては、アメリカ自由人権協会(ACLU)がダグラス郡地方裁判所に起こした訴訟「Doe v. State of Kansas」で憲法適合性が争われている。ACLUの弁護団は、有効な身分証明書の突然の無効化がプライバシー権、個人の自己決定権、法廷地法における適正手続き(デュープロセス)を侵害していると主張する。2026年8月には、州側の通知手続きの不備を理由に原告1名の運転免許証の効力が一時的に回復されたが、法改正そのものの合憲性を巡る審理は続いている。一方、法案の推進派やクリス・コバック州司法長官は、公的台帳の正確性を維持し、女性専用空間の安全を確保するために不可欠な措置であると主張している。

これに先立ち、米国の他の州でもトランスジェンダー当事者の公的証明書を制限する動きが広がっており、2026年8月にはオハイオ州が運転免許証の性別表記変更を停止し、出生証明書の原記録との一致を義務付けている。

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