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英国緑の党、党員に「母と父」や「同性愛者」の使用を控えるよう勧告

ブリストルでのイベントにおけるイングランド・ウェールズ緑の党党首ザック・ポランスキーと共同党首カーラ・デンヤー。写真:[Bristol Green Party / Wikimedia Commons](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Carla_Denyer_and_Zack_Polanski.jpg) (CC0)
ブリストルでのイベントにおけるイングランド・ウェールズ緑の党党首ザック・ポランスキーと共同党首カーラ・デンヤー。写真:[Bristol Green Party / Wikimedia Commons](https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Carla_Denyer_and_Zack_Polanski.jpg) (CC0)

2026年10月初旬、英国の「イングランド・ウェールズ緑の党」(GPEW)が党員向けに配布した包括的言語に関する内部指針の存在が明らかになった。『包括的用語ガイドライン』(Inclusive Terminology Guidance)と題されたこの文書は、「母と父」(mothers and fathers)といった伝統的な家族表現を避け、「親と養育者」(parents and carers)と言い換えることを党活動家に推奨している。さらに、「同性愛者」(homosexual)や「トランスセクシュアル」(transsexual)という用語についても、ノンバイナリーの人々を排除しているとして使用を控えるよう求めている。

家族に関する表現にとどまらず、同指針はジェンダーが明示された職名の見直しも求めており、「議長」(chairman)や「女性警察官」(policewoman)の代わりに、中立的な chair や police officer を用いるよう指示している。年齢や人種に関する分類にも及んでおり、「高齢者」(elderly)という呼称は不適切とされ、黒人・アジア系・少数民族を指す略語「BAME」の代わりに、多様なコミュニティの固有の経験を単一の枠組みに押し込めないよう「グローバル・マジョリティ」(global majority)を用いることが提案された。また、精神的健康に関する偏見を助長するとして、「狂人」(nutter)や「変人」(lunatic)などの俗語の使用も避けるべきだと明記されている。

ガイドラインは、包括的にコミュニケーションを図ろうとする誠実な姿勢がある限り、言葉の言い間違いが直ちに咎められるわけではないとしつつも、推奨用語の使用を意図的または継続的に拒否することはハラスメント(嫌がらせ)とみなされる可能性があり、党の行動規範や英国の平等法違反に問われ得ると警告している。英放送局LBCの報道 によると、緑の党の報道担当者は検閲との批判を否定し、「これは平等を重んじる多くの組織で導入されている既存の標準的な研修資料であり、単なる指針に過ぎない」と強調した。

この指針の公表は英政界および世論に波紋を広げている。作家のJ・K・ローリング氏はX上で「性転換手術を受けておらず、多くの同性愛者を知る3人の若者の高齢の母親として、健全な身体と性的嗜好を持つ私の意見を言わせてもらえば、緑の党は完全に狂気の沙汰になりつつある」と皮肉交じりに酷評した。一方、保守党のケビン・ホリンレイク幹事長は、市民の日常的な言語表現まで監視しようとする姿勢を批判し、緑の党指導部は一般国民の生活感覚から遊離したイデオロギー闘争に終始していると非難した。

イングランド・ウェールズ緑の党は、1970年代の環境保護運動を起源とし、1990年に現行の組織形態となった政党である。2025年9月にザック・ポランスキー氏が党首に就任して以降、左派活動家の流入により党員数は20万人を突破したが、ジェンダー自己認同、生物学的性に基づく女性の権利、党内の言論の自由をめぐる内部対立も先鋭化している。

これまでに「ウラニア」は、生物学的性に基づくゲイやレズビアンの権利擁護を掲げる英権利団体「LGBアライアンス」の保守党大会参加 や、英社会における性的少数者への認識を調査したYouGovの世論調査 を報じている。

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