トルコのエルドアン大統領、国連総会で「脱ジェンダー化」を批判 国内のLGBT弾圧作戦の最中

米ニューヨークで開催中の第81回国連総会で演説したトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、男女からなる伝統的な家族制度を守るため「地球規模の脱ジェンダー化政策」に立ち向かう必要があると主張した。この発言は、トルコ当局がLGBT+団体や活動家を標的とした大規模な全国警察作戦「我が家族は安全」(Ailem Güvende)を開始してからわずか1週間後に行われた。同大統領の演説内容は、2026年9月22日にトルコの独立系メディアBianet が報じた。
世界の指導者を前にした演説で、トルコ大統領はジェンダー多様性を認める国際的な潮流が婚姻制度や無実の子供たちを脅かしていると主張した。「地球規模の脱ジェンダー化政策は、家族制度と無実の子供たちを標的とした包囲網へと変貌した。この包囲網は、女性と男性からなる家族を守ることによってのみ打破できる」と国連の壇上から語った。さらにトルコは「ロビー活動による攻撃にもかかわらず、家族と子供の保護において主導権を握り続ける」と表明した。演説で「LGBT+」の名称を明言することは避けたものの、外交筋や現地メディアは、大統領の言葉が国内の人権活動家の一斉拘束を正当化するために政府が用いてきた論理と完全に合致していると指摘している。
エルドアン大統領の演説は、トルコ国内で激しい司法追及が続くさなかに行われた。ロイター通信によると、「我が家族は安全」作戦のもとで裁判所はこれまでに82人に対して拘束命令を出し、抗議デモの現場では100人以上の市民が警察に連行された。これに先立ち司法当局は、老舗の当事者団体である「Kaos GL」や「LambdaIstanbul」などの公式ウェブサイトやSNSアカウントへのアクセスを遮断し、アキン・ギュルレク法相はNGOが受け取っている海外資金の監査方針を発表した。こうした一連の弾圧に対し、国連や欧州評議会、世界65カ国の人権団体が強い懸念と非難を表明している。
演説の大半においてエルドアン大統領は、中東情勢と国際機関の制度改革に言及した。パレスチナ・ガザ地区での即時停戦、パレスチナ国家の承認、および国連安全保障理事会の改革を強く求め、世界の安全保障が常任理事国5カ国の意向に左右される構造を是正すべきだと訴えた。また、ウクライナの主権と領土の一体性への支持を再確認し、北キプロス・トルコ共和国の国際承認を呼びかけたほか、人工知能(AI)を規制する拘束力のある国連条約の策定を提案した。
与党・公正発展党(AKP)を率いるエルドアン大統領は一貫して保守的な社会規範を推し進めており、2021年には女性保護のためのイスタンブール条約から脱退し、プライドパレードも事実上禁止されてきた。「ウラニア」は先立って、トルコ15県で展開された警察作戦「我が家族は安全」の開始と主要LGBT+サイトの遮断措置について詳しく報じている 。


